2026年08月30日

【ロザリアンあるある】もう買わない宣言は嘘!?ホムセンで1000円見切り品バラを救出した言い訳と、過酷な残暑に耐える夏バラ12品種!


もう買わない宣言は嘘!? 限界突破の庭でお迎えした1000円見切り品バラの救出劇と、過酷な残暑を耐え抜く夏バラ12品種のリアルな育て方

「もうバラは絶対に買わない。庭のキャパシティはとっくに限界だ。」
そう固く誓ったはずなのに、ホームセンターの園芸コーナーの片隅にある見切り品のワゴンで、ボロボロになって1000円の札を貼られたバラと目が合ってしまったら。皆さんは、そのまま素通りできますか?

私には、絶対に無理です。むしろ、お店に行ったら一番にワゴンを確認しに行きます。

今回は、そんなロザリアン(バラ愛好家)なら誰もが共感してしまう逃れられない悲しい習性と、その結果お迎えしてしまった救出苗の紹介をしたいと思います。さらに、この残暑厳しい過酷な環境下でも、健気に咲いてくれている我が庭の夏バラ12品種を一挙にご紹介します。
このブログ記事をご覧いただければ、「夏でもこんなにしっかり咲く品種があるんだ!」という驚きと、「見切り品をつい買っちゃうの、わかるわー!」という深い共感で、きっと皆さんのバラ栽培のモチベーションが爆上がりするはずです。

2026年8月28日ホムセン救出苗2種と夏バラ12品種-1bro.jpg





限界突破の庭と、ホームセンターの見切り品コーナーの罠
改めまして、私は2016年にバラ沼に深く嵌って以来、現在は146株のバラたちと格闘する日々を送っている一人のバラ愛好家です。普段は地植えのつるバラをメインに、大型の構造物を使って空間を覆うような庭づくりを目指しています。
さて、いきなりですが、白状しなければならないことがあります。そうです。また、バラを買ってしまいました。少し前に「新苗をまた4株も買ってしまった手前、もう本当に買わない」と声高らかに宣言したばかりだというのに、です。
これは決して私の意志が弱いわけではないと、自分に言い聞かせています。ロジカルシンキングを心掛ける私としては、あくまで合理的な理由が存在するのです。

いつものルーチンとして、ホームセンターの園芸コーナーを巡回していた時のことでした。私は肥料の価格動向を調査するという極めて知的な目的で訪れたはずなのですが、無意識のうちに見切り品コーナーへと足が向かっていました。そこに、大苗が1000円という信じられない価格で投げ売りされて並んでいたのです。
バラ沼に嵌り始めた2016年頃なら、どんな品種でも「安い!」と飛びついて取り敢えず確保していました。しかし、庭のキャパシティがすでに限界を突破し、地植えする場所も、新しく鉢を置くスペースも完全に無くなった現状では、安いからといって確保するのは厳禁であり、自分の中では禁止状態でした。

しかし、よく見るとそこに並んでいたのは、以前からずっと気になっていた「チェリー・ボニカ」と「はいから」ではありませんか。
状態はかなり悪く、葉はすっかり落ちてしまい、枝は水分を失ってシワシワになっていました。普通の人なら単なる「枯れ木」として通り過ぎるでしょう。でも、自分のほしいバラリストに入っていたり、過去に気になって詳しく調べたバラだった場合は話が全く違います。
「ここで私が見捨てたら、彼女たちは廃棄されてしまう。これは単なる買い物ではない。ロザリアンとしての誇りをかけた保護活動、いや、救出して回復させる義務なのだ!」
そう熱い使命感に駆られた私は、気づけばレジで1000円札を払っていました。

見切り品のバラを回復させる第一歩と、救出した2品種の魅力
まずは弱り切った苗を回復させることを第一とするので、置き場問題などの現実的な課題は完全に無視します。これはあくまで保護活動ですから、細かいことは気にしません。

救出してきた1株目は、フランスのメイアン社が作出した「チェリー・ボニカ」です。 赤いカップ咲きのコロコロとした可愛らしい花が特徴で、花持ちが凄く良いと評判の品種です。私はカップ咲きのバラに目がなくて、ずっと気になっていたバラの一角でした。ただ、色が赤であることと、樹形が結構大きくなる性質みたいなので、スペースの問題から泣く泣くほしいバラリストからは外していたんです。
しかし、目の前に1000円で倒れている彼女を見たら、そんな理屈や制限は吹き飛びました。枝だけでなく葉もわずかに残っているので、私の手厚い看護があれば十分に回復は可能だと判断しました。まずは活力剤を入れた水でしっかりと水分を吸わせ、焦らずに新しい根と芽が出るのを待つのが回復のコツです。

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2株目は「はいから」です。 京阪園芸ガーデナーズ扱いのブッシュ・ローズで、2016年に日本の今井ナーセリーによって作出されました。黒みを帯びた深いクリムゾン(黒赤)から、咲き進むにつれて紫がかった情熱的なワインレッドへと変化していくコロコロした花が咲くらしく、これも密かに恋焦がれていたバラの一つでした。
状態は先ほどのチェリー・ボニカ以上に悪いですが、長年の経験から「ギリギリ行けそうなレベル」と判断しました。何より1000円なら、もしダメだった時の心のダメージも少ないかなと。これはロジカルなリスクヘッジです。
皆さんも、ボロボロで捨て値で放置されている苗を見つけたら、放っておけずに救出しますよね? この出会いもまた、バラの神様が与えてくれた運命だったのだと信じています。

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過酷な残暑の庭で咲く、夏バラ12品種のリアルな姿

さて、恒例の意思の弱さ(言い訳)をお伝えしたところで、いよいよ本題に入りましょう。 温暖な広範囲の地域にお住まいの方ならご存知の通り、近年の日本の夏は尋常ではない暑さです。2026年8月28日現在、残暑が厳しすぎる我が庭で、過酷な環境にも負けずに咲いた夏バラ12品種をご紹介します。
まずは、見ているだけで夏も涼し気な気分にさせてくれる【紫軍団】からです。

レイニーブルー (Rainy Blue) トップバッターは、ドイツの名門タンタウ社が2012年に作出した、日本でも大人気の紫のつるバラ「レイニーブルー」です。彼女は私がバラ沼に完全に沈んだ2016年に新苗でお迎えして以来、長く苦楽を共にしている思い入れの深い株なんですよ。
薄い紫、上品な藤色のロゼット咲きの中輪花を咲かせ、微香ながらも顔を近づけると優しく香るのがたまりません。ベースはシュラブ樹形ですが、非常に優秀な四季咲き性を持ち、我が家では見事なクライミング・ローズとして空間を彩ってくれています。
春の圧倒的な滝のような開花に比べれば花数は減りますが、過酷な夏でもしっかり咲いてくれます。彼女の素晴らしいところは、房で咲くので夏バラ特有の花の小ささをカバーし、いい感じで目立ってくれる点です。さらに蕾がばらけて順番に咲くため、花の咲いている期間も一週間ぐらいは保ってくれます。今年は立派なシュートも出て、非常にいい感じです。
ただ、つるが順調に伸びすぎると、同居する母から「また枝が飛び出してる!引っかかって危ないじゃないの!」と容赦ないクレームが入ります。母は庭仕事を一切手伝わないのに口だけは一人前です。私は「これは空間を覆うナチュラルなガーデンデザインの過程だ」と反論しますが、全く通じません。有名な園芸家の教えを母に理解してもらうのは、もう完全に諦めています。

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プロローグ (Prologue) お次は2023年にホームセンターをパトロール中、つい新苗でお迎えしてしまったプロローグです。ドイツの強健種でおなじみコルデスが2017年に作出した紫のシュラブ・ローズですね。
春の本来の姿は、美しいライラック色の丸みを帯びたカップ咲き、あるいは丸弁八重咲きの中輪花が特徴です。中程度の良い香りを漂わせながら、花束のように房状になってたくさん咲く、非常に優秀な繰り返し咲きの品種です。半つる性なので、我が家ではほぼつるバラとして扱っています。
これまで鉢植えでしたが、今年は思い切って地植えにして、紫つるバラのパーゴラの一角に定植しました。やはり地植えのパワーは凄まじく、花数が劇的に増えてこの夏もいい感じに咲いています。
しかしここで、ガーデンデザインの調和を重視する私に大きな葛藤が生まれます。なんと、夏の花はライラック色の面影がなくなり、完全にピンクの花になって咲いてしまうんです!紫軍団で統一したパーゴラにピンクが混ざるという景観上のジレンマ。ロジカルに考えれば高温による色素発現の違いだと頭では理解できるのですが、昭和の教育を受けた身としては「気合で紫に咲けよ!なんでピンクになるんだ!」とつい根性論で問い詰めたくなります。まあ、樹勢も強くて生育は順調ですし、夏もこれだけ房で咲いてくれるので許しましょう。

ノヴァーリス (Novalis) 同じくコルデスが2010年に作出した紫の強健品種で、私がバラ沼に嵌った2016年に新苗でお迎えして以来、地植えで育てているブッシュ・ローズです。私はバラの名前の由来や歴史を調べるのが大好きなのですが、この花名は未完の小説『青い花』を書いたドイツ・ロマン派の詩人ノヴァーリスに由来しています。こういうバックボーン、最高に惹かれますよね。
春は赤みの少ない透き通るようなラベンダー色の宝珠弁咲きを見せ、ほのかに香るティー系の香りも素晴らしいです。しかも無農薬でも黒星病を寄せ付けない驚異の耐病性を誇ります。
そんな病気にはめっぽう強い完璧な彼女ですが、夏顔にはいつも悩まされます。実は耐暑性は普通レベルなので、真夏の直射日光が熱すぎると、花びらの端がチリチリに焦げてしまい、なんとも微妙な姿になってしまうのです。
ロジカルに考えれば、株の体力を温存して秋に備えるためにも「夏は咲かせなくてもいい、いやむしろ咲かせるべきではない」と頭では分かっています。しかし、いざ次々と上がる蕾を見ると摘み取るのが面倒くさくなり、結局そのまま咲かせてしまっています。極力無駄な作業を無くす高生産性を言い訳にした、ただの怠慢です。ごめんよ、ノヴァーリス。

プラム・パーフェクト (Plum Perfect) こちらも2009年コルデス作出の紫の木立バラ、フロリバンダ系統の「プラム・パーフェクト」です。ドイツのコルデスが誇る、耐寒性・耐暑性に優れた非常にタフな品種ですね。
本来の姿は、赤みがかった深みのある紫色の花びらが幾重にも重なる、なんともエレガントな丸弁ロゼット咲きの中輪花です。濃い緑色のツヤツヤとした照葉とのコントラストも素晴らしく、庭の景観をグッと引き締めてくれます。
フロリバンダらしくもともと花数が多い品種ですが、この厳しい残暑の中でも次から次へとたくさんの蕾を上げて元気に咲いてくれます。ただ、これも夏は完全な夏顔になってしまい、本来なら6から8cmほどあるはずの花径がかなり小さくなってしまうんですよね。
ノヴァーリス同様、ロジカルに株の体力を考えれば夏は咲かせないほうがいいんですが、過酷な暑さに耐えながら蕾をたくさん上げ、小さな花が一生懸命に咲いている姿を見てしまうと、「お前も根性で頑張ってるんだな」と昭和の精神でつい共感してしまい、ハサミを入れるのを躊躇してしまうんですよ。効率や生産性重視と言いながら、結局は情にほだされて取り敢えず咲かせてしまっています。

ミュリエル・ロバン (Muriel Robin) 2005年にフランスの名門ピエール・オラールが作出したハイブリッドティ(HT)の木立バラです。名前の由来はフランスの喜劇女優ミュリエル・ロバン。交配親が「シャルトルーズ・ドゥ・パルム」と「ブルー・リバー」と聞けば、バラの物語や歴史が好きな私としてはその血統だけでご飯が三杯食べられますね。
春はラベンダー色に赤紫がのるモーブピンクの美しい波状の丸弁咲きを見せ、ブルー系のダマスクとティーが混ざった素晴らしい強香を漂わせます。夏にも次々と咲いてはくれるのですが、花が春とは別物の小さな夏顔になり、しかもあっという間にバサッと散ってしまいます。
さらに困ったことに、カタログデータ上の樹高は1.1mのはずなのに、ステム(花首)が長く伸びる性質があるため株全体がどんどん大きくなります。今の段階で、花が咲く位置が私の背丈を超えるほど高くなってしまいました。おまけに彼女、結構トゲが多いんですよ。
高い位置でのトゲを避けながらの花がら切りは、腰に多大な負担がかかります。長年の椎間板ヘルニア持ちである私にとって、庭仕事の際のコルセットは絶対の掟です。今日もコルセットをギュッと締め上げ、「喜劇女優の名前なんだから、そんな高みを目指さずに下の方で私を笑わせてくれよ」とぼやきつつ、必死にハサミを伸ばしています。

続いて、庭を明るく照らす【黄色・オレンジ系】のバラたちです。

レヨン・ドゥ・ソレイユ (Rayon de Soleil) 2015年にフランスのメイアン社が作出した黄色バラの革命児です。フランス語で「一筋の陽光」を意味するこの品種、最大の魅力はなんといっても農薬不要レベルの「最強の耐病性」です。世界で最も厳しいとされるドイツの新品種コンテスト「ADR認証」を獲得している、科学的にも証明された強健種なんですよ。
さらに「セルフクリーニング機能」という、花が終わるとバサリと自ら花弁を落とし、実をつけずに体力を温存する優れたシステムを搭載しています。つまり、花がら摘みをサボっても次々と花を咲かせる、高生産性・ローメンテナンスの極みのようなバラなのです。しかもトゲが少なくて扱いやすい。ロジカルシンキングを重んじる私としては、これほど理にかなった優秀な品種はないと絶賛していました。
……しかしですね、今年の春、彼女はすっかり機嫌を損ねて咲いてくれませんでした。夏になってようやくポツポツと咲いてくれましたが、見事な丸弁八重咲きの面影もない小さな夏顔の花です。
原因は明確です。完全に私の配置ミスです。日当たりの良い一等地はすでにつるバラたちに占拠されており、彼女は日当たりの悪い場所に追いやられているため、本来のパフォーマンスを全く引き出せていないのです。シュラブとしても使えるほど樹勢が強い彼女を、どうすれば輝かせることができるのか。場所の移動は困難を極めますが、ここはロザリアンとしての論理的思考が試されるところです。とりあえず今は、この猛暑の中で健気に咲いてくれた「一筋の陽光」に感謝したいと思います。

ダナヒュー (Dannahue) 私の大好きなイングリッシュローズ、そして大好きなオレンジ系という最強の組み合わせ。2023年にあのデビッド・オースチンが作出した新しいシュラブ・ローズ「ダナヒュー」です。
春には朝日の光に映える温かみのあるアプリコット色の中輪カップ咲きを見せ、英国伝統の優雅さと現代的な洗練を併せ持つ、まさに息をのむ美しさです。半つる性の特性を持ちアーチやフェンスに這わせるのにも向いているため、大型構造物で空間をバラで覆い尽くしたい私のガーデンデザインにおいて、非常に期待している品種です。
しかし、過酷な日本の残暑の中では、本来のアプリコット色ではなくすっかり黄色の花になり、サイズも小ぶりになってしまいます。それでも中香とされる穏やかなローズの香りは夏でも健在で、過酷な庭仕事の癒やしになっています。
ただ、絶望的なのが「花持ちの悪さ」です。本当にダメです。綺麗に開いたと思ったら、1日でバサッと潔く散って終わります。同じく花持ちの悪さで有名なイングリッシュローズ、ジュード・オブスキュアに似ていますが、繰り返し次々と咲く性質に関してはこちらのダナヒューの方が優秀ですね。無駄な作業を極力省いて高生産性を目指したい私ですが、毎朝地面に散らばった花びらをほうきで拾い集めながら、「本当に手のかかるお嬢様だな」とその儚い美しさにため息をついています。

ここからは庭にアクセントを加える情熱の【赤・絞り系】です。

ラ・レーヌ・ドゥ・ラ・ニュイ (La Reine de la Nuit) 2015年フランスのデルバール社作出の、赤にやや茶色みを帯びた黒赤の絞りが入る半つる性のシュラブ・ローズです。私が大好きなバラの物語的な側面で言うと、この花名はフランス語で「夜の女王」を意味します。名前からして最高にカッコいいですよね。
春には5cmほどの丸弁半八重咲きの中輪花が、時に20輪以上の大きな房になって咲き誇ります。耐病性が強く、トゲが少なくてしなやかな枝が伸びるので、つるバラのようにフェンスへ誘引して空間を覆う私のガーデンスタイルにもぴったりです。トゲが少ないのは、腰に爆弾を抱えコルセット必須の私にとって作業性が高く、極めてロジカルで優秀なポイントでもあります。
そして素晴らしいのが、この「夜の女王」は過酷な暑い夏でも休まず咲いてくれるんです。このバラの面白いところは、一つの花の造形をじっくり見るというより、全体の色合いや景観としての雰囲気を見るタイプの花だということ。そのため、夏顔になって花が少し小さくなってもそれほど気にならず、庭をキュッと引き締めるいい感じの空間を作ってくれます。情熱的な絞りの模様が夏の日差しに映えて、まさに「カッコいい庭」を演出してくれていますよ。

カリエンテ (Caliente) アメリカで作出された、鮮やかなビビッドレッドが目を引く剣弁高芯咲きのミニバラ(矮星ブッシュ・ローズ)です。ミニバラと侮るなかれ、これがもう、過酷な残暑の中でも信じられないくらい咲きまくります。しかも、夏場のわりには小輪の花が長く保つんです。微香ですが、庭に華やかさを添える存在感は抜群です。
分類上はミニチュアローズですが、株自体はミニバラの中では大きめに育つので、普通のブッシュ・ローズと同じように景観の一部として立派に扱えます。極力無駄な作業を省き、高生産性を目指す私にとって、この開花エネルギーは非常に優秀です。
ただ、ロジカルに管理する上で少し厄介な点もあります。ミニバラの中では病気に強い方ですが、大型の強健種と比べるとやはり劣り、薬剤散布の間隔を2週間以上空けて雨が降ったりすると、すぐ黒星病になります。さらにハダニにも弱いため、早期発見・早期対策が必須です。低い位置の葉裏をチェックする作業は、腰痛持ちにはかなりの苦行です。コルセットを軋ませながら「小さいくせに一丁前に手がかかるな」とボヤきつつも、この情熱的な赤にはいつも元気を貰っています。

ジジ (Gigi) デンマークの育種会社、ポーセンローズが作出した、赤と白の絞りが入るミニバラ(矮星ブッシュ・ローズ)の「ジジ」です。微香で小輪の花ですが、これも四季咲き性が抜群に良くて、春から冬まで本当に休むことなく咲き続けてくれます。
夏場はさすがに過酷なので花数が少なめになりますが、一つ一つの花が長く保ってくれるので、残暑の庭の彩りとして非常に優秀です。赤と白の絞りの模様は、花自体は小さくてもコントラストが強くてよく目立ち、とてもカッコいい存在感を放っています。
ただ、先ほどのカリエンテと同様、ロジカルな管理を阻むミニバラ特有の苦労はあります。ミニバラの中では病気に強い方とはいえ、油断すれば黒星病は出ますし、ハダニにも弱いため、普通の強健なバラよりは間違いなく手間がかかります。効率重視の私にとって、低い位置でのこまめな葉裏チェックや薬剤散布は、コルセットを巻いた腰への深刻なダメージに繋がります。同居する母からも「そんなに腰が痛いなら、その小さいのは引っこ抜いちゃえば?」と無慈悲なことを言われますが、この小悪魔的にカッコいい花を見ると、つい腰をさすりながらお世話をしてしまうんですよね。

最後は、猛暑の庭に清涼感を与える【白バラ】です。

デスデモーナ (Desdemona) 私が愛してやまないイングリッシュローズから、2015年デビッド・オースチン作出の非常に優雅なシュラブ・ローズです。白を基調としながら、中心にほんのりと淡い桃色がのる上品な色彩で、中香ながらもイングリッシュローズ特有の心地よい香りを周囲に漂わせます。
実は今年の春、4月のことですが「やつがまた来た」と私が絶望したバラクキバチのピンポイント爆撃を受け、このデスデモーナも伸びたばかりの新梢を無惨に折られる被害に遭いました。あの時はさすがの私もロジカルな思考が停止しかけましたが、そこからのリカバリーが見事で、さすがの四季咲き性によりこの過酷な夏もしっかりと咲いてくれています。
夏場は中輪のサイズこそ少し小さくなりますが、クラシカルでエレガントなカップ咲きの美しい形はそれほど崩れません。イングリッシュローズは日本の高温多湿に弱いイメージがありますが、彼女は猛暑にも害虫にも負けない素晴らしい強さを持っていますね。隣に植えてあるオリビア・ローズ・オースチンやウィンダミアと一緒に、我が家のイングリッシュローズコーナーを見事に調和して彩ってくれる、頼もしい存在です。

新雪 (Shinsetsu) 最後は1969年、日本の京成バラ園芸、「ミスターローズ」こと鈴木省三氏が作出した歴史ある巨大つるバラ「新雪」です。あの名花ニュードーンを親に持ち、その名の通り雪のように純白の大輪花を咲かせます。バラの歴史好きとしては絶対に外せない日本の名花ですね。四季咲き性が非常に強く、春から冬までポツポツと咲き続けます。夏場はサイズこそ少し小さくなりますが、半剣弁高芯咲きの美しい形は崩れず、中程度の良い香りも楽しめます。
ただ、この巨大つるバラには生産性を著しく落とす大きな問題があります。花の終わりに「花びらを豪快にまき散らす」という厄介な性質があるため、散る前の花がら切りが絶対条件なのです。しかし巨大なつるバラゆえに高い位置で咲くため、脚立に乗って腕を伸ばさなければなりません。当然、ヘルニア持ちの腰にはコルセットを巻き、へっぴり腰での過酷な作業です。
見かねた母からは「そんな高いところで咲かせてご近所に自慢でもしたいの?散った花びらの掃除も大変だし、危ないからさっさと切り詰めなさいよ!」と容赦ない嫌味が飛んできます。「これは無駄な作業じゃない、大型構造物で空間を覆うという崇高なガーデンデザインのためなんだ!」と心の中で叫びつつ、散る前の純白の花を求めて黙々とハサミを伸ばすのが、私の夏の修行となっています。

バラ栽培の醍醐味と、究極の場所問題への答え

いかがだったでしょうか。厳しい残暑の中でも、それぞれの個性を出しながら咲いてくれる12品種のバラたち。夏顔になってしまったり、一日で散ってしまったりと葛藤も多いですが、専門家が語るマニアックな話を思い出しながら、それぞれの品種の特性を観察するのは本当に楽しいものです。
さて、お話を最初に戻します。今回はロザリアンの習性である「弱ったバラを放っておけない、ホムセン救出苗」の言い訳から始まりましたが、これは皆さんも絶対に経験がありますよね?
春に元気な大苗を買ってきて、大きく綺麗に咲かせるのももちろん素晴らしいことです。しかし、見切り品コーナーでボロボロになっていた弱ったバラを復活させるのは、それとは全く違った、なんとも言えない深い達成感があるのです。茶色く枯れこんだ枝の先から、小さな赤い新芽がポチッと顔を出した時のあの感動。毎日の水やりと活力剤の投与が報われた瞬間です。そして、自分が手塩にかけて元気になればなるほど、強烈な愛着が湧いてしまい、絶対に手放せなくなります。

しかし、そこで必ず直面するのが「究極の場所問題」です。現在146株で限界突破している私の庭。大型のつるバラが空間を覆い尽くし、鉢を置くスペースすら無いところに、新たに救出した「チェリー・ボニカ」と「はいから」が加わってしまいました。
論理的に考えれば、置く場所はゼロです。では、この問題をどう解決するのか?

……そのへんの難しい問題は、すべて「将来の自分」に丸投げします!
今は元気になるようにお世話をしていくことだけを考えます。きっと秋になって涼しくなれば、未来の私が魔法のようにスペースを捻出してくれることでしょう。(まあ、結局通路が狭くなって母に怒られるというベタなオチが見えていますが)
ホームセンターの見切り品、つい買っちゃうのよね、とか、うちの夏バラも小さく咲いてるよ、といった同じような経験がある方は、ぜひそのお気持ちを大切にして、これからも一緒にバラ沼での格闘を楽しんでいきましょう。

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posted by 02memo at 17:33| バラの花 | 更新情報をチェックする