2026年06月29日

「世界が買えと言っている!」ワールドカップの熱狂に乗じてデビッド・オースチンの新作バラ「ベッカム」を狙う。圧倒的な花数と香りで空間を覆うキャパ限界突破の庭を彩るイングリッシュローズ15品種ツアー。


イングリッシュローズの魅力と育て方完全ガイド!限られた庭でバラ園を作る方法とおすすめ15品種

「イングリッシュローズは花持ちが悪いからちょっと…」 ガーデニングをしていると、そんな声をよく耳にしますよね。
たしかに、バサッと散ってしまう潔さというか、儚さはあります。 でも、長年バラを育ててきた一介のバラ愛好家として断言します。 そんなことは些細なことだと思えるほど、彼女たちが咲き誇るその一瞬の輝き、圧倒的な香りと存在感は最高なんです。 特に、憧れのイングリッシュガーデンのような雰囲気を作りたいなら、デビッド・オースチンのバラは絶対に欠かせない必須アイテムだと言えます。

私は関東の海沿いの地域で、地植えや鉢植え合わせて140株以上のバラを育てています。 庭の物理的なキャパシティはとっくに限界を突破しており、地植えのスペースはおろか、鉢を置く隙間すらありません。 普通ならここで「今年はもう買わない」「増やすのは終わり」と誓うはずですし、私も毎年そう家族に宣言しています。
しかし、最近デビッド・オースチンから伝説のサッカー選手の名を冠した新作バラが発表されたりすると、ワールドカップの盛り上がりに乗じて「これは世界が私に買えと言っているのではないか」という謎の言い訳(ロジカルシンキング?)を発動してしまい、ついついお迎えしてしまう。 それが抜け出せない「バラ沼」の恐ろしさであり、楽しさでもあります。

この記事では、そんなバラ沼の住人である私が、イングリッシュローズの本当の魅力、日本の気候(特に関東などの暖地や海沿い)での育て方のコツ、そして我が家の庭で実際に咲き誇っているおすすめの15品種をたっぷりとご紹介します。

2026年6月27日デビットオースチン15品種紹介とワールドカップ。-1bro.jpg





■ 第一章:イングリッシュローズ(デビッド・オースチン)の魅力とは?
デビッド・オースチン・ロージズ社が生み出すイングリッシュローズは、世界中のロザリアン(バラ愛好家)から愛されています。 オールドローズが持つクラシカルで優美な花形(カップ咲きやロゼット咲きなど)と、現代のバラが持つ四季咲き性や強健さ、その両方を高次元で融合させたのが最大の魅力です。

【1. 圧倒的な香りのバリエーション】 イングリッシュローズを語る上で絶対に外せないのが「香り」です。 フルーツ、ティー、ミルラ、オールドローズ、ムスクなど、品種によって香りの性質が全く異なります。 一輪咲いているだけで庭や部屋の空間全体がその香りで満たされるほどの強香を持つ品種が多く、香水瓶をひっくり返したような至福の体験ができます。

【2. 空間を覆う景観作りに最適】 最近の園芸のトレンドは、場所をとらないコンパクトで綺麗な樹形のバラです。 それも素晴らしいのですが、私はオベリスク、アーチ、パーゴラといった大型構造物につるバラ(あるいは半つる性のシュラブ)を仕立てて、圧倒的な花数で空間を覆い尽くすような景観を作るのが大好きです。 イングリッシュローズの多くは枝がしなやかで大きく育つシュラブ樹形のため、つるバラのように立体的な空間演出がしやすく、とりあえずイングリッシュローズで空間を固めれば、あっという間に憧れのイングリッシュガーデンっぽくなるという最強の魔法がかかります。

【3. 儚くも美しい色彩の変化】 蕾の時から開花し、散るまでの間に、花色が劇的に変化していくのも大きな特徴です。 朝の光の中で見る透き通るような色合いや、外側と内側で色が違うコントラストなど、毎日違う表情を見せてくれるので全く飽きません。

■ 第二章:我が家の最大勢力!おすすめイングリッシュローズ15品種
現在、私の庭のメインを張っているデビッド・オースチンの15品種をご紹介します。 まずは、私がこよなく愛する黄色・オレンジ系の品種からです。

【1. ゴールデン・セレブレーション】 我が家のイングリッシュローズの歴史を語る上で欠かせない、1992年作出の銘花です。 早咲きの部類で、我が家の春のバラシーズンの開幕を告げてくれる重要な存在です。 山吹色の巨大なカップ咲きはまさにイングリッシュローズの極み。 濃厚なティー系の香りを嗅ぐだけで疲れが吹き飛びます。 大輪でありながらうつむき加減に咲く姿は非常にエレガントですが、雨で花が重くなりすぎるのが難点で、つい傘を差し掛けてあげたくなります。

2026年6月27日デビットオースチン15品種紹介とワールドカップ。-2bro.jpg


【2. コンテ・ドゥ・シャンパーニュ】 2001年発表の非常に強健な半ツルのシュラブ・ローズです。 花形はユニークな半八重のオープンカップ形で、咲き始めのリッチイエローから気品あるペールイエローへと徐々に色が変化します。 花が開くと中心部に深黄色の雄しべが輝き、その姿がグラスの中で弾ける高級シャンパンのように上品なことから名付けられました。 蜂蜜とムスクを絶妙にブレンドした芳醇な中香が風に乗って庭に広がります。枝数が多く旺盛に育ち、繰り返しよく咲きます。

【3. レディ・エマ・ハミルトン】 アプリコットオレンジからオレンジイエローへと移ろう中輪のカップ咲きです。 このバラの最大の魅力は、なんと言っても顔を近づけた瞬間にブワッと押し寄せる爽やかな柑橘系の「強香」です。 さらに、新しく伸びてくる枝葉が美しい銅色をしており、カラーリーフとしても庭に最高のアクセントを添えてくれます。 四季咲き性が非常に強く、過酷な夏や秋まで途切れることなく次々と咲き続けてくれる、無くてはならない存在です。

【4. レディ・オブ・シャーロット】 イングリッシュローズの中でも最も頼れる品種の一つと言われるほど、とにかく耐病性がズバ抜けて強いのが特徴です。 うどんこ病や黒星病に滅法強く成長も早いため、初心者の方にも自信を持っておすすめできます。 深みのあるオレンジレッドの若い蕾から、開くにつれて表側がサーモンピンク、裏側がゴールデンイエローという息をのむようなコントラストを描き出します。 エレガントなゴブレット型のカップ咲きで、スパイスを効かせたリンゴのようなティー系の香りが漂うツルバラのエースです。

2026年6月27日デビットオースチン15品種紹介とワールドカップ。-3bro.jpg


【5. ジュード・ジ・オブスキュア】 香りが好きな方は絶対に手に入れるべき、デビッド・オースチンの傑作です。 フルーツ系の甘く爽やかな香りが漂い、一輪摘んで部屋に置くだけで空間全体が彼女の色に塗り替えられます。 「強香」という言葉の基準点になるほどの別格の香りです。 見た目も抜群で、太陽の光を閉じ込めたような美しいアプリコットイエローの大きめなディープカップ咲き。 最初は開かずのコロコロとした丸い蕾が大きくなり、それが開くと香りが爆発します。

【6. バスシーバ】 2016年に発表された品種で、アプリコット、黄色、白が混ざり合う絶妙な色気を持つシャローカップ咲きです。 ミルラの香りが混じった複雑な強香は、まさにマニア向け。 イングリッシュローズのつるバラとして我が家でも主力を担っており、外周フェンスに誘引しています。 花持ちも比較的良く、フェンスの上部で房になって咲く姿は見る人を圧倒する、空間を覆うパワーに満ちたバラです。

【7. ブリング・ミー・サンシャイン】 2022年発表の最新世代。名前にサンシャインとある通り、太陽を運んできてくれたような輝かしいオレンジイエローが庭に光をもたらします。 オレンジ系アプリコットのロゼット咲きで、強い日差しの中でも色が抜けにくいのが特徴です。 そして驚くべきはその圧倒的な耐病性で、黒星病にも平然としています。 無駄な作業を削って生産性を高めたいロジカル思考のガーデナーにとって、この強健さは最高の味方です。

【8. ダナヒュー】 2023年に発表された期待の新人。 アプリコットからオレンジへのグラデーションが美しい、非常に整った見事なカップ咲きを楽しませてくれます。 育ててみての印象は、一言で言えば「ジュード・ジ・オブスキュアの小型版」。 花の形や開き方はそっくりで、香りの強さは少しおとなしめの中香ですが、現代のバラらしく耐病性に優れているのが最大の魅力です。 場所がなくても買わずにはいられなかった運命の出会いの一株です。

【9. ザ・ポエッツ・ワイフ】 2014年発表の、黄色いイングリッシュローズの傑作と言えるバラです。 レモンイエローの非常に大きなロゼット咲きの花がドンと咲く姿は最高に目を引きます。 イングリッシュローズ特有の繊細な花弁が幾重にも重なる姿と、ティにフルーツの素晴らしい強香が心を豊かにしてくれます。 さらに素晴らしいのが四季咲き性が非常に高い実力派な点。一年中どこかで花を咲かせてくれる夢のような性質を持っています。

ここからは、ピンクや白系の可憐な乙女たちのご紹介です。 ホームセンターの半額セールなどで見つけると、ついつい救済名目でお迎えしてしまう業の深さが浮き彫りになります。

【10. オリビア・ローズ・オースチン】 我が家の春の開花を告げる「早咲きの女王」の貫禄を持った品種です。 一輪ずつ小出しに咲くような真似はせず、庭のトップバッターとして一斉に開花をはじめる潔さが真骨頂。 ダマスクにパウダーが混ざる中香を漂わせ、美しいソフトピンクのロゼット咲きを見せてくれます。 現在は4メートルの超大型オベリスクに誘引しており、高い位置から花が滝のように降り注ぐ圧巻の光景を作ってくれています。

【11. ジ・エンシェント・マリナー】 2015年発表。イングリッシュローズの中でも特に大輪で、深いカップ咲きになるのが特徴の半ツルバラです。 透き通るような柔らかなピンク色の花びらは、朝の光の中で見ると神秘的なほどの美しさを誇ります。 非常に多花性で一枝に何輪も花を付けるため満開時のボリューム感は物凄く、強香を放ちます。 花持ちも比較的良く、激しい雨風に打たれても見事なカップの形を崩さずに凛として咲き誇る、ロマンチックな佇まいのバラです。

【12. メアリーディレイニー】 2002年発表(旧名モーティマー・サックラー)。 淡いピンクの丸弁八重咲きの大輪が、細くしなやかな枝の先でうつむき加減に咲きます。 トゲはほぼ無く扱いやすい天使のような存在ですが、日差しに弱く、暑い日は朝咲いて夕方には散ってしまう儚いバラの代表格でもあります。 しかし真の魅力は冬。四季咲き性が強く2月頃まで咲き続けるのですが、冬の冷たい空気の中では2週間も美しさを保ちます。

【13. デスデモーナ】 2015年発表。咲き始めのほんのりとしたピーチ色から、透き通るような白へと変化する盃状の花は、まさに聖母のような純粋な美しさです。 その儚げな美しさとは裏腹に驚くほど強健な性質を持っており、雨にも強く、次から次へと蕾を上げてくる生命力には驚かされます。 香りはオールドローズ香にアーモンドが混じったような非常に上品なもの。 宿根草などどんな植物とも仲良くできる、懐の深い働き者のバラです。

【14. ウィンダミア】 クリーム色から白へ移ろう、上を向いて咲く美しいロゼット咲きで、素晴らしい強香の持ち主です。 花持ちは悪く暑い時期はあっという間に散ってしまいますが、次々と蕾を上げて房咲きになり、ほぼ途切れることなく冬まで花が咲きまくる驚異のスタミナがあります。 さらに面白いのが、冬になるとまるで別の品種かと思うくらい違う、綺麗なサーモンピンクの花を咲かせることです。 残念ながら2024年に廃盤になってしまった名花です。

【15. クレア・オースチン】 デビッド・オースチン氏が愛娘の名を冠した、イングリッシュローズを代表する白バラです。 約120枚もの花弁が密に重なり、淡いレモンの蕾からクリーミーホワイト、純白のカップ咲きへと変化する姿は圧倒的な透明感と気品があります。 ミルラを基調とした複雑でスパイシーな強香が特徴。 樹勢が非常に旺盛な半ツル性で、日本の猛暑にも耐え、病気で葉を落としてもすぐにリカバリーする驚異的な生命力を持っています。

■ 第三章:経験者が語る!イングリッシュローズを健康に咲かせる育て方
ここからは、140株以上のバラと格闘してきた経験から、イングリッシュローズを健康に美しく育てるための実践的なコツを解説します。

【1. 植え付けと土づくり(水はけ命!)】 バラ栽培において最も重要なのは土の「水はけ(排水性)」です。 特に関東の海沿いなど、湿気がこもりやすかったり粘土質だったりする庭では、根腐れを防ぐための土壌改良が必須です。 植え付ける穴を掘ったら、赤玉土や鹿沼土、そして良質な馬糞堆肥や腐葉土をたっぷりと混ぜ込み、ふかふかのベッドを作ってあげます。 水がスッと引いていくような土環境を作ることが、イングリッシュローズの強健な根を育てる第一歩です。

【2. 季節に合わせた水やりと肥料】 水やりは「土の表面が乾いたら、鉢底(または地中深くまで)から水が抜けるまでたっぷりと」が基本です。 毎日少しずつ水をかけるのは根が浅くなるのでNGです。メリハリをつけましょう。 肥料については、イングリッシュローズは花をたくさん咲かせるためにかなりのエネルギーを使います。 冬の休眠期(1〜2月)に与える「寒肥」で一年のベースを作り、春の一番花が終わった直後に「お礼肥」として追肥を行い、体力を回復させます。

【3. 空間を活かす剪定と誘引】 庭のスペースが限られている場合、イングリッシュローズのしなやかな枝を活かした「立体的な仕立て」が最強の解決策になります。 オベリスク、アーチ、トレリス、外周フェンスなどを使って枝を縦や横に誘引することで、狭いスペースでも驚くほどの花数を確保できます。 冬の剪定(12月〜2月)で古い枝や細すぎる枝を思い切って整理し、残した元気な枝を構造物に巻き付けるように寝かせて誘引します。 この作業によって、春には見上げるようなバラのタワーや花の壁が完成します。

【4. 病害虫との付き合い方】 バラにつきものなのが、黒星病やうどんこ病といった病気です。 イングリッシュローズは近年、非常に耐病性の高い品種(ブリング・ミー・サンシャインなど)が増えていますが、それでも日本の梅雨や秋の長雨には注意が必要です。 風通しを良くするための剪定や、泥はねを防ぐための株元のマルチング(バークチップなど)が予防に効果的です。 病気が出た時は、昭和の根性論でなんとかしようとせず、ロジカルに専用の殺菌剤をローテーション散布して被害を最小限に食い止めましょう。

【5. 猛暑と塩害への対策】 関東など暖地の夏は年々過酷になっています。 鉢植えの場合は、強い西日が当たらない場所に移動させたり、二重鉢にして地温の上昇を防ぎます。 また、海沿いのエリアでは台風による塩害も大敵です。 強い海風が吹いた翌日は、朝一番で葉の表裏に真水をシャワーのようにたっぷりとかけて、付着した塩分を洗い流すことが致命傷を防ぐコツです。

■ おわりに:終わらないバラ沼の葛藤
いかがでしたでしょうか。 イングリッシュローズは確かに少し手間がかかりますし、大きく育つので場所も取ります。 花持ちが短くて掃除が大変なこともあります。 家族から「また同じような花ばっかり買ってきて…」と小言を言われることもしばしばです。
しかし、春の朝、庭に咲き乱れるバラたちを見た瞬間、そしてあの素晴らしい香りで空間が満たされた時、すべての苦労が報われるんです。
「今年はもう増やさない」 そう誓っても、ワールドカップで日本代表が勝ったり、新しいカタログが届いたりするたびに、何かと理由をつけて新しい苗をお迎えしてしまう。 それがガーデニングを愛するロザリアンの抜け出せない「バラ沼」の恐ろしさであり、最高の楽しさでもあります。
もしあなたも、半額セールのお宝苗をつい買ってしまったり、置き場所がないのに新作をポチってしまったりする経験があれば、あなたはもう立派なバラ沼の住人です。 ぜひ一緒に、腰を労わりながら最高のガーデニングライフを楽しんでいきましょう!

ブログ バラを中心にガーデング情報や買い物紹介などの雑記ブログ。2011年開設。
https://02memo.seesaa.net/

YouTube ガーデニングのノウハウや生育の変化を動画でチェックできる【@02memo04】のチャンネル。
https://www.youtube.com/@02memo04

Instagram 美しいバラや花の写真やコーディネート例を【@02memo2】で発信中。
https://www.instagram.com/02memo2/

Pinterest ガーデンデザインや花のアレンジメントのアイデアが満載【02memo】のボードをチェック。
https://www.pinterest.jp/02memo/

X (Twitter) 日々の生育記録やガーデニングの豆知識を【@02memo3】から最新情報をゲット。
https://twitter.com/02memo3

#flowerlove #flower #flowers #花 #ガーデン #ガーデニング #庭 #花のある暮らし #庭のある暮らし

posted by 02memo at 17:45| youtube | 更新情報をチェックする