【秋バラ22品種】もう増やさないと誓ったのに…美しすぎて衝動買い!ロザリアンが語る10月の庭とおすすめ品種
10月の庭で美しく咲く秋バラ22品種を、ロザリアンならではの「あるある」エピソード満載でご紹介。イングリッシュローズから最新品種まで。もうバラは増やさないと誓ったはずなのに、なぜ買ってしまうのか?その答えがここにあります。
導入:秋風が運ぶ、甘い誘惑と小さな後悔
涼しい秋風が心地よい季節になりましたね。庭の管理人、ゼロツーメモです。
あの地獄のような猛暑を乗り越え、わが家のバラたちがようやく息を吹き返し、美しい花を咲かせ始めました。春の爆発的な華やかさとは一味違う、深く、そして香り高い秋バラ。一輪一輪とじっくり向き合えるこの季節は、私にとって何物にも代えがたい至福の時です。
しかし、この美しい季節は、甘い誘惑の季節でもあります。
「庭のスペースはもう限界だ」「今年こそは絶対に増やさない」
春に固く誓ったはずなのに、気づけば新しい苗をポチっている…。
この記事では、そんな私の葛藤と喜びが詰まった、2025年10月の庭を彩る秋バラ22品種を、いくつかのグループに分けてご紹介します。この記事を読めば、きっと「わかるわー」と頷いてしまうはず。バラの沼にハマった皆さんと、この気持ちを分かち合えたら幸いです。
まずは優雅なピンクの秋バラたちから
秋の庭めぐり、トップバッターを飾るのは、やはり王道のピンク色のバラたち。彼女たちがいるだけで、庭全体が優しく、華やかな雰囲気に包まれます。
1. オリビア・ローズ・オースチン (Olivia Rose Austin)
まさに「完璧」という言葉がふさわしい、デビッド・オースチンの傑作。2019年にホームセンターで半額になっているのを見つけた時は、運命を感じましたね。大きくなってからは秋でも驚くほどの花数を誇り、病気にも強い。本当に手のかからない優等生です。
作出: デビッド・オースチン(イギリス)
系統: S シュラブ / イングリッシュローズ
特徴: ソフトピンクの美しいロゼット咲き。中香。四季咲き性が非常に強い。
2. つるローズうらら(枝変わり)
本来の「つるローズうらら」は鮮やかなショッキングピンクなのですが、ある日ふと、こんなにも淡く優しいピンクの花を咲かせる枝を見つけました。挿し木でなんとか固定化した、わが家だけの特別な子です。こんなサプライズがあるから、バラ栽培はやめられません。
作出: 京成バラ園芸(日本)※原種
特徴: わが家独自の枝変わり。淡いピンクの丸弁平咲き。
3. ミスピーチ姫
この子はとにかく一年中、よく咲いてくれます。可愛らしい小輪の花が株を覆うように咲き、しかもトゲがないので扱いやすいのも魅力。ただし、ハダニに好かれやすいのが玉に瑕(きず)。夏の間は、彼女をハダニから守るための戦いでした。今年はなんとか大発生する前に抑えられて、一安心です。
系統: Min ミニチュアローズ
特徴: 四季咲き多花性。トゲがない。
4. ダフネ (Daphne)
ロサオリエンティスのダフネは、まさに気まぐれな妖精。サーモンピンクからクリーム、そしてグリーンへと花色が変化していく様子は、いつまで見ていても飽きません。ギリシャ神話の精霊の名を持つにふさわしい、神秘的な魅力があります。花持ちが抜群で雨にも強い。育種家の木村卓功先生のバラは、本当に日本の気候をよく分かってらっしゃいます。YouTubeの「バラ塾」で宇都宮店長のマニアックな解説を聞くたびに頷き、「New Roses」を読んでは新しい子が欲しくなる…この無限ループこそロザリアンの宿命ですね。
作出: ロサオリエンティス(日本)
系統: S シュラブ
特徴: 波状弁咲きで、花色が変化する。中香。耐病性が高い。
情熱の赤、個性派ミニローズの世界
甘いピンクの世界から一転、次は庭にドラマチックな彩りを添える、情熱的な赤いバラたちです。小さいながらも、その存在感は抜群です。
5. カリエンテ (Caliente)
鮮やかな赤、キリっとした剣弁高芯咲き。小さいながらも態度は一人前です。ミニバラの恐ろしいところは、「小さいから、まだ置けるな」と自分に言い訳ができてしまうこと。これが庭のキャパシティ崩壊への第一歩だと、分かってはいるのですが…。
系統: Min ミニチュアローズ
特徴: 鮮やかな赤の剣弁高芯咲き。四季咲き。
6. ジジ (Gigi)
この赤に白の絞り模様!園芸店で429円だったのを見つけた日には、連れて帰る以外の選択肢はありませんでした。ポーセンローズのミニバラは本当に可愛い。ただ、やはりミニバラは病害虫に少し気を使います。黒星病もハダニも出ますから、油断は禁物です。
作出: ポーセンローズ(デンマーク)
系統: Min ミニチュアローズ
特徴: 赤地に白の絞りが入る。四季咲き。
7. つるリトル・アーティスト (Little Artist Climbing)
ミニバラのくせに名前に「つる」が付くやつは要注意です(笑)。強健で生育旺盛。見てくださいこの枝、もう普通のバラと変わりません。トゲも鋭い。秋にはローズヒップも色づいて、二度楽しめるのが嬉しいポイントです。
系統: ClMin クライミングミニチュア
特徴: 赤地に白の覆輪。繰り返し咲き。伸長力がある。
8. パパ・メイアン (Papa Meilland)
「バラの栄誉殿堂」入りした、黒バラの王様。ベルベットのような質感の黒赤色の花びらと、むせ返るような濃厚なダマスクの香り。秋は特に色が深くなり、吸い込まれそうなほどの美しさです。ただ、どうしても花が高い位置で咲いてしまうのが、腰痛持ちには少し辛いところですね。
作出: メイアン(フランス)
系統: HT ハイブリッドティ
特徴: 黒赤色の半剣弁高芯咲き。強香。
ここでちょっと一息。バラではありませんが、秋になっても元気なのがハイビスカス。日本の酷暑だと、真夏よりむしろ今頃のほうが生き生きしている気がします。
【共感の嵐?】ロザリアンの宿命「もう増やさない」という儚い誓い
さて、ここからは物語を秘めた紫のバラたち…の前に、少し私の懺悔にお付き合いください。
実はこの春、大切にしていた「マソラ」というバラが枯れてしまいました。その悲しみを埋めるべく、新しいバラ「ブリング・ミー・サンシャイン」をお迎えしたら、もうダメでしたね。心のタガが外れてしまったんです。
いわゆる「ついでポチ」。
気づけば、なんと9品種もの新しいバラを迎えていました。家族からは「マソラが枯れたからって、なんで9株も増えるの!」と呆れられましたが、こればかりは仕方がない。ロザリアンなら分かってくれるはずです。
今回は、その春の「爆買い」メンバーのうち、見事に秋の花を咲かせてくれた6品種もご紹介します。
9. アレキサンドラ・ダビッド・ニール (Alexandra David-Neel)
その衝動買いメンバーの一人が、このデルバールのフレンチローズ。女性探検家の名を冠した、気品あふれるモーヴピンクの花。春は株の成長に全振りし、この秋が初開花です。この美しい花を見たら、衝動買いの後悔なんてどこかへ吹き飛んでしまいました。「買ってよかった!」と心から思っています。
作出: デルバール(フランス)
系統: S シュラブ
特徴: モーヴピンクの波状弁ロゼット咲き。強香。
10. ミュリエル・ロバン (Muriel Robin)
フランスの喜劇女優に捧げられたオラールのバラ。ラベンダー色にブルー系の強い香り。まだ少し夏顔ですが、寒くなるともっと美しい姿を見せてくれます。
11. プロローグ (Prologue)
このライラック色の花束!コルデスのプロローグも、寒くなるともっと紫が深まります。繰り返しよく咲いてくれる、頼もしい子です。
12. レイニーブルー (Rainy Blue)
わが家ではもう古株のタンタウのレイニーブルー。雨の日にこそ、その名の通りしっとりとした美しさを見せてくれます。秋は花数が減りますが、それでもポツポツと咲き続けてくれるのが嬉しいですね。
抗えない魅力!イングリッシュローズとオレンジ色の競演
さあ、やってまいりました。私が一番好きなイングリッシュローズ、特にオレンジ・黄色系のグループです。彼女たちの放つオーラは、庭の雰囲気を一変させます。
13. ゴールデン・セレブレーション (Golden Celebration)
ご近所さんからいただいた大株。祝祭の名にふさわしい、輝くような山吹色。そして蜂蜜のような濃厚な香り。春の花数には敵いませんが、秋に咲く一輪の存在感もまた格別です。
14. ジュード・ジ・オブスキュア (Jude the Obscure)
出ました、魔性の香りの持ち主。「完熟したグアバと甘口の白ワイン」と評される、唯一無二の香り。この香りを嗅ぐためだけに、黒星病と戦う価値がある。本気でそう思わせるバラです。花もちが悪くても、雨に弱くても、いいんです。一瞬でもこの香りに包まれれば、すべての苦労が報われます。
15. レディ・エマ・ハミルトン (Lady Emma Hamilton)
柑橘系のフルーツ香がたまらない、元気なオレンジ色の彼女。新しく伸びる枝の葉が銅色なのもおしゃれで、秋までよく咲いてくれます。
16. ダナヒュー (Dannahue)
この子も、あの春の「爆買い」メンバーの一人です。『もう増やさない』という誓いは、美しいバラの前では本当に無力だと痛感させられますね。
17. コンフィチュール (Confiture)
はい、彼女もです。河本バラ園が生んだ、ジャム(コンフィチュール)のようにこっくりとしたオレンジ色。甘い香りもたまりません。衝動買い?いいえ、これは運命の出会いです。そう思うことにしています。
多彩なるフィナーレ!白からブラウンまで、個性豊かなバラたち
名残惜しいですが、最後のグループです。清楚な白からシックなブラウンまで、個性豊かな彼女たちが庭めぐりのフィナーレを飾ります。
18. ウィンダミア (Windermere)
アイボリーから純白へと変化する、清楚なイングリッシュローズ。本当によく咲くのですが、残念ながら2024年で廃盤が決定。こういう名花がなくなるのは寂しいですね。
19. つるアイスバーグ (Iceberg, Climbing)
本来は一季咲きのはずが、なぜか秋に10輪ほど返り咲き。こういう気まぐれなサプライズは大歓迎です。
20. デスデモーナ (Desdemona)
彼女も春にお迎えした新人さん。白地にほんのり桃色がのる、この世のものとは思えないほどの透明感。「もう置き場所がない」なんていう理性を、いとも簡単に麻痺させてくれる美しさです。
21. ストロベリーミスト (Strawberry Mist)
この子も衝動買い組。でも、このおしゃれなテラコッタレッドを見てください。後悔なんて1ミリもありません。
22. ルクソール (Luxor)
そして、あの春の爆買いのトリを飾ったのが、このロサオリエンティスのルクソール。落ち着いた茶色のカップ咲きが、秋の庭にシックな彩りを添えてくれます。
まとめ:バラの沼から、愛をこめて
ふぅ。これで全22品種、紹介し終わりました。
こうして見渡すと、我ながら壮観です。
結局、毎年「今年こそはもう買わない」と誓っては、美しいバラに出会い、その誓いをあっさりと破ってしまう。庭のキャパは限界で、腰は痛いし、家族には小言を言われる。分かっているんです、全部。
でも、この美しい花が咲くのを見ると、「あぁ、やっぱり買ってよかった」と、すべてを肯定してしまうんですよね。
この葛藤と開き直りの繰り返しこそが、私たちロザリアンの宿命なのかもしれません。
手間もお金もかかるけれど、この景色と香りに包まれる幸福感には代えられません。
あなたの庭では、どんな素敵な秋バラが咲いていますか? もしよろしければ、コメントで教えてください。(…いや、やっぱり教えないでください。また欲しくなってしまいますから(笑))
このバラ沼からは、どうやら一生、抜け出せそうにありません。
まあ、それが一番の幸せなんですけどね。
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