「フランスのバラ」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
華やかで、洗練されていて、どこか気品がある…そんな言葉がぴったりですよね。イングリッシュローズの優雅さも素晴らしいですが、フランスのバラが持つ独特の個性には、どうしようもなく心を掻き乱されてしまう魅力があります。
こんにちは!都内でバラ97種122株を育てる、庭主の02memoです。2016年に「バラ沼」にハマって以来、庭のキャパシティと格闘しながら、アーチやパーゴラをバラで埋め尽くすことを夢見ています。
今回は、数あるフレンチローズの中でも特に個性が際立つ育種会社「ドリュ(Dorieux)」のバラに焦点を当てます。我が家にはドリュのバラが3株だけありますが、まるで三姉妹のように性格が違い、そして全部ものすごく気に入っているんです。
この記事では、そんな我が家の「ドリュ三姉妹」の魅力と、正直な育て方、そしてリアルな失敗談まで、余すところなくご紹介します。
この記事でわかること
個性派フレンチローズ「ドリュ」の魅力
「ニュー・イマジン」の芸術的な絞りと育て方のコツ
「ピンク・ビンテージ」のお洒落な花色と、私の大失敗談
「ランタン・シトロイユ」の唯一無二の花形と仕立て方の悩み
プロではない、一人の愛好家としてのリアルな栽培記録
バラ好きのあなたならきっと「わかるわー」と頷いてしまうはず。ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも「ドリュ(Dorieux)」とは?薔薇の職人が生み出す個性派ローズ
まず、今回ご紹介するバラたちの生みの親、「ドリュ」について少しだけ。
ドリュはフランスの名門育種会社で、自らを『薔薇の職人(Artisans of the rose)』と称しています。その言葉通り、一つひとつの品種に魂を込めるような、丁寧な育種で知られています。
彼らのバラは、どこか尖っていて、一筋縄ではいかないような強烈な個性を持っているのが特徴。だからこそ、一度ハマると抜け出せない「沼」のような魅力があるんです。
我が家のドリュ三姉妹!育て方とリアルな奮闘記
それでは、お待たせしました。我が家の庭で繰り広げられる、個性派三姉妹との日々をご紹介します。彼女たちを迎えるきっかけは、やはりあの「もうバラは絶対に増やさない!」という誓いをあっさり破らせる、悪魔の(いえ、天使の)雑誌『New Roses』とYouTubeでした…。
①長女:ニュー・イマジン|予測不能な絞り模様が美しい芸術品
品種紹介と魅力
作出:2004年 / フランス / Dorieux
系統:S(シュラブ)
花色:ワインレッド地に白の絞り
花形:カップ咲き~平咲き
香り:中香
我が家のドリュで一番の古株、長女の「ニュー・イマジン」。彼女の魅力は、なんと言ってもこのアーティスティックな絞り模様です。ワインレッドのキャンバスに、白い絵の具を散らしたような花は、一つとして同じものがありません。まさに「生きるアート」です。
ただ、正直に告白します。カタログで見たときは、もっと整ったカップ咲きだと思っていました。実際に咲いてみると、意外とすぐにパカーンと開いてしまうんです。
最初は「あれ?」と思いましたが、この少しだらしないくらいに開いた姿が、また良い。中のシベが良く見え、蝶やハチたちが喜んで集まってきます。ポール・スミザー先生の言う「ナチュラルな庭」には、むしろこの方が合っているのかもしれないな、なんて今では思っています。
育て方のポイントと格闘の記録
このニュー・イマジンは、解体した物置の骨組みを再利用した木製パーゴラに誘引しています。シュラブローズですが枝がよく伸びるので、つるバラとしても扱えるのが嬉しいポイント。
しかし、このパーゴラは彼女だけの城ではありません。
「ラベンダー・ブーケ」「オデッセイア」、そしてあの気高い香りの「つるシャルル・ド・ゴール」も一緒に誘引しているため、パーゴラの上はさながら戦場です。お互いに「私の場所よ!」と枝を伸ばし合い、場所取り合戦を繰り広げています。
見た目の繊細さとは裏腹に、ニュー・イマジンは病気に強くシュートもよく出すタフガールなので、他の強豪たちにも負けていません。絞り模様のバラをダイナミックに咲かせたい方には、とてもおすすめできる品種です。
②次女:ピンク・ビンテージ|お洒落なベイクドカラーと私の大失敗
品種紹介と魅力
作出:2019年 / フランス / Dorieux
系統:F(フロリバンダ)
花色:ブラウンがかったピンク
花形:丸弁八重平咲き
香り:中香
次女の「ピンク・ビンテージ」は、その名の通り、ヴィンテージ感のある絶妙な花色が魅力です。ブラウンがかったピンク、いわゆる「ベイクドカラー」は本当にお洒落で、雑誌で見て一目惚れ。気づけばポチっていました(笑)。
【失敗談】日当たり問題と場所選びの重要性
彼女に関しては、その美しい花色の話よりも、私の大失敗談をお伝えしなくてはなりません。
意気揚々と地植えにしたこの場所。植えた当初は完璧だと思ったんです。しかし、私の計算が甘かった…。
すぐ隣のフェンスに誘引しているつるバラたちの、数年後の成長速度を見誤っていたのです。春先はまだ良いのですが、葉が鬱蒼と茂る初夏以降、この場所はすっかり日陰に。自分が愛情を込めて育てたつるバラによって、別のバラが負けてしまうとは…皮肉なものです。
案の定、花数が減ってしまい、それを見た家族からは「だから言ったじゃない、あそこは日陰になるって」と痛い一言。長年のヘルニア持ちの腰に響きます…。
この失敗から学んだこと
植え付け時は、数年後の植物の成長を想像するべし!
特に大型になるつるバラの近くは、将来日陰になる可能性を考慮する。
彼女本来のポテンシャルを発揮させてあげられていないのは、完全に私の采配ミス。現在、コルセットを締め直し、移植を真剣に検討しています。
③三女:ランタン・シトロイユ|唯一無二の花形を持つ気高きお嬢様
品種紹介と魅力
作出:2020年 / フランス / Dorieux
系統:S(シュラブ)
花色:オレンジと黄色の複色
花形:ロゼット咲き
香り:中香
そして、我が家の三女にして、ある意味真の主役かもしれないのが「ランタン・シトロイユ」です。
初めてこの花を見たときの衝撃は忘れられません。「え?こんなのあったんだ」と。名前は「カボチャのちょうちん」を意味し、その名の通りオレンジと黄色の複雑な色合いが美しい。
しかし、何より特筆すべきは、このカクカクっとした、まるで折り紙細工のような花形!他に類を見ない、唯一無二の存在感を放っています。この花が一輪あるだけで、庭の景色が一気に引き締まり、お洒落になるんです。
つるバラとしての仕立て方と今後の課題
開花株を見つけて即購入したこのバラ。つるバラとして3連アーチに誘引していますが、この子もまた一筋縄ではいかないお嬢様。どうも上の方でしか咲きたがらないのです。
理想としては、目線の高さでこの美しい花をたくさん愛でたいのに、現実は遥か頭上…。つるバラあるあるですが、もどかしい日々です。シュートは太くてトゲもすごいのがビュンビュン伸びるのですが、もしかしたら小型のオベリスクなどで、もっとゆったり単独で仕立てた方が彼女の魅力を引き出せるのかもしれない…と、最近ずっと悩んでいます。
まさに「手がかかる子ほど可愛い」を実感させてくれるバラですね。
まとめ:完璧じゃないから愛おしい。ドリュのバラが教えてくれたこと
派手で丈夫な長女「ニュー・イマジン」、日陰で少しすねてる次女「ピンク・ビンテージ」、そして気難しくも美しい三女「ランタン・シトロイユ」。
こうして見ると、本当に人間ドラマのようですね。
ドリュのバラは、最新品種のように「耐病性抜群で手がかからない」というタイプばかりではないかもしれません。でも、そのちょっとした弱さとか、一癖ある性格とか、そういう完璧じゃない部分も含めて、たまらなく愛おしいのです。
手間がかかる分、綺麗に咲いてくれた時の喜びは何物にも代えがたい。それがガーデニングの醍醐味だと、彼女たちは教えてくれます。
この記事を読んで、「こんなバラがあったんだ!」と驚いたり、「わかるわー」と私の失敗談に頷いてくれたりしたなら、とても嬉しいです。
動画でもっと詳しく!
今回の内容はYouTubeでも詳しくお話ししています。ぜひ動く三姉妹の姿をご覧ください!
(ここにYouTube動画の埋め込みリンクを設置)
動画リンク: https://www.youtube.com/@02memo04
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