【体験談】デルバールのバラ10品種を正直レビュー!強健だけど暴れん坊?育てて分かった品種ごとのリアルな魅力
「デルバールのバラって、病気に強くて育てやすいって聞くけど、本当はどうなの?」
「すごく大きくなるって噂だけど、うちの庭でも管理できるか心配…」
こんにちは、バラ栽培がライフワークの庭師、02memoです。
フランスの名門、デルバール社が生み出すバラたち。その華やかな花姿と「強健」という評判に惹かれて、気づけば私の庭にも10品種もの「彼女たち」が根を下ろしていました。
しかし、カタログの美しい言葉だけでは分からないのが、バラ栽培のリアルなところ。
実際に育ててみると、噂に違わぬ頼もしさを見せてくれる一方で、こちらの想定を軽々と超えてくる「暴れん坊」な一面に驚かされることもしばしば。
この記事では、そんな私が実際に育てているデルバールのバラ10品種について、
品種ごとのリアルな成長記録と特徴
「思ったんと違う!」と感じた正直な失敗談
カタログだけでは分からない、上手な育て方のコツ
などを、余すところなくお伝えします。
これからデルバールのバラをお迎えしたいと考えている方、品種選びに悩んでいる方の参考になれば幸いです。
デルバールのバラの魅力とは?噂の「暴れん坊」は本当?
デルバールのバラの最大の魅力は、なんといってもその「生命力」にあります。デビッド・オースチンの計算され尽くした繊細な美しさや、メイアンの品行方正な優等生ぶりとは一線を画す、野性的でパワフルなエネルギーを感じさせます。
特に、絵画のような絞り模様の品種は、まさに芸術品。この独特の個性こそ、多くのロザリアンを虜にする理由でしょう。
そして、よく言われる「暴れん坊」という噂。これは半分本当です。
シュラブローズのカテゴリでありながら、つるバラのように枝を旺盛に伸ばす品種も多く、その成長スピードは庭主の計画を追い越していくことがあります。しかし、それは裏を返せば「それだけ強健で、育てやすい」ということの証明でもあります。
このじゃじゃ馬な魅力を理解し、彼女たちの個性を活かすことができれば、デルバールのバラはあなたの庭で最高のパフォーマンスを見せてくれるはずです。
我が家のデルバール10品種をグループ別にご紹介
それでは、私の庭で個性を爆発させている10品種を、そのキャラクターが似ているグループに分けてご紹介します。
グループ1:ザ・デルバール!パワフル美人姉妹
まさに「デルバールらしさ」を体現する、エネルギッシュで華やかな2品種です。
1. ローズ・ポンパドゥール (Rose Pompadour)
このバラなくして、我が家のデルバールは語れません。庭のシーズン開幕を告げる早咲きで、幾重にも重なる花びらが開くディープカップの大輪は圧巻の一言。
特徴: 非常に強健で、成長が早い。シュラブですが、3メートルのポールでは物足りないほど枝を伸ばし、完全につるバラとして扱っています。
魅力: 四季咲き性が非常に強く、夏でも花形を崩さずに咲いてくれるタフさが魅力。フルーティーな強香も楽しめます。
育て方のコツ: 中途半端なオベリスクではすぐに手狭になります。最初からつるバラとして、大きめのフェンスやパーゴラに誘引する計画を立てるのがおすすめです。
2. シャトー・ドゥ・シュベルニー (Château de Cheverny)
ポンパドゥールがピンクの女王なら、こちらは黄色の女王。カタログではシュラブローズですが、彼女もまたその枠には収まりきらない暴れん坊です。
特徴: 3連アーチに誘引していますが、その成長力はポンパドゥールに勝るとも劣りません。とにかく枝がよく伸びます。
魅力: 爽やかなレモンイエローの花が房になって咲き誇る姿は、庭を明るく彩ってくれます。フルーティーな香りも素晴らしいです。
育て方のコツ: 彼女もつるバラと心得て、広いスペースを確保してあげてください。日当たりが良い場所でこそ、その真価を発揮します。
グループ2:個性派アーティスト集団(絞りバラ)
デルバールの真骨頂ともいえる、芸術的な絞り模様が魅力の3品種です。
3. エドゥアール・マネ (Edouard Manet)
淡い黄色にローズ色の絞りが入る、印象派の絵画のような名花。絞りバラ好き(シボラー)なら誰もが知る品種ではないでしょうか。
特徴: 早咲きで、他のバラがまだ準備中の頃から庭を彩ってくれます。四季咲き性も非常に高く、夏から秋まで繰り返し咲き、頼りになる存在です。
悩み: 優秀すぎるがゆえの悩みですが、他のバラとの開花時期がズレがち。庭全体の調和を考えると、嬉しい悲鳴をあげることも。
4. ギー・サヴォア (Guy Savoy)
三ツ星シェフの名を冠した、赤紫にピンクの絞りが入る大輪種。その存在感は圧倒的です。
特徴: ポンパドゥールの隣で競演させることを夢見て植えましたが、開花が少しずれるのが悩ましいところ。しかし、同時に咲いた時の豪華さは格別です。
育て方のコツ: 太くたくましい枝が旺盛に伸びるので、これもつるバラとして扱っています。大きな花は正義、を実感させてくれるバラです。
5. ラ・レーヌ・ドゥ・ラ・ニュイ (La Reine de la Nuit)
「夜の女王」の名を持つ、赤に黒赤の絞りが入る個性的なバラ。中輪の花が大きな房になって咲く姿は、非常にドラマチックです。
特徴: 我が家のデルバールの中では比較的おとなしめのシュラブですが、それでも花付きと花持ちは抜群。
魅力: 秋まで繰り返しよく咲いてくれる健気さも魅力の一つ。少し日陰になる場所でも元気に育ってくれています。
グループ3:「思ったんと違う!」試行錯誤組
カタログの姿を夢見てお迎えしたものの、一筋縄ではいかなかった彼女たち。失敗談から学ぶことは多いです。
6. ラ・パリジェンヌ (La Parisienne)
オレンジと黄色の鮮やかな絞りが美しい品種。アーチに仕立てたらさぞ見事だろうと夢見ていました。
失敗談: 枝はつるバラのように非常によく伸びるのですが、枝の先端に、しかも全部上を向いて咲く性質でした。結果、アーチの下から見上げると花の裏側しか見えないという残念な事態に…。
教訓: 彼女はアーチではなく、目線の高さのフェンスや、高めの木立樹形として楽しむのが正解でした。バラの性質を理解することの大切さを痛感させられた一件です。
7. ラ・ドルチェ・ヴィータ (La Dolce Vita)
「甘い生活」という名の通り、オレンジがかった黄色の房咲きが愛らしいバラです。
失敗談: 鉢植えの時は素晴らしい花付きでしたが、地植えにしたところ、どうも花数が減ってしまいました。原因は日照不足。植えた場所が彼女には少し物足りなかったようです。
教訓: 特に黄色のバラは日当たりを好む傾向があります。鉢植えで最高のパフォーマンスを見せてくれる場所を把握してから地植えにすると、失敗が少ないかもしれません。現在、移植を検討中です。
グループ4:意外とおしとやかな優等生
8. パブロワ (Pavlova)
暴れん坊ばかりではないのがデルバールの面白いところ。このパブロワは、とても上品な優等生です。
特徴: 少しグレーがかった白いロゼット咲きで、樹形もコンパクト。我が家では鉢植えのオベリスクで、しなやかに育っています。
魅力: 強健なデルバールファミリーの血は受け継ぎつつも、扱いやすいサイズ感。限られたスペースでデルバールを楽しみたい方におすすめです。
グループ5:そして沼へ…2025年春の新しい仲間たち
「もうバラは増やさない」。庭のキャパシティは限界で、そう固く誓ったはずでした。しかし、バラ好きの誓いは豆腐より脆いもの…。気づけば、この春も新しい仲間をお迎えしてしまいました。
9. ル・タン・デ・スリーズ (Le Temps des Cerises)
バラの専門誌で見て一目惚れ。シャンソンの名曲「さくらんぼの実る頃」の名を持つ、深い赤紫色のバラです。その名前に込められた物語に、すっかり心を奪われてしまいました。
10. アレキサンドラ・ダビッド・ニール (Alexandra David-Neel)
20世紀の偉大な女性探検家の名を冠したバラ。困難を乗り越えた彼女のように、我が家の庭でも力強く美しい花を咲かせてくれることを期待しています。
まとめ:デルバールのバラは、手間をかける価値のある最高のパートナー
ここまで、我が家のデルバール10品種をご紹介してきました。
計画通りには育ってくれない暴れん坊もいれば、思った以上のパフォーマンスを見せてくれる優等生もいます。
彼女たちに一喜一憂し、時に振り回されながら、どうすればその魅力を最大限に引き出せるか考える。それこそが、バラ栽培の、そしてガーデニングの醍醐味なのかもしれません。
デルバールのバラは、間違いなく「一筋縄ではいかない」相手です。
しかし、その強健な生命力と、他の誰にも似ていない個性は、手間をかける価値のある、最高の喜びを私たち庭師に与えてくれます。
もしあなたが、少し手のかかる、しかしそれ以上に愛おしいパートナーを探しているのなら、デルバールのバラの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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