【徹底比較】デビッド・オースチン vs デルバール!イングリッシュローズとフレンチローズ、究極の6品種を庭で育ててみた感想
「イングリッシュローズの優雅さと、フレンチローズの華やかさ、あなたの庭にはどちらが似合いますか?」
こんにちは、庭で97種122株のバラを育てるバラオタク、02memoです 。2011年から続くこのブログでは、バラを中心としたガーデニング情報を発信していますが、今回はいつもと趣向を変え、私の庭で繰り広げられた「英仏ローズ頂上決戦」の様子をお届けします。
長年イングリッシュローズ、特に「デビッド・オースチン」の虜である私のもとに、フランスの「デルバール」をこよなく愛するバラ好き女子大生、(日記)ニッキーさんが来訪 。
「オースチンのロマンが最高!」と語る私と、「デルバールの総合力こそ至高!」と譲らないニッキーさん。
この記事では、私たちの熱いプレゼンバトルを通して、両ブランドの思想の違いから、具体的な人気6品種の魅力までを徹底的に掘り下げます。単なるカタログスペックの比較ではありません。実際に庭で育て、咲かせ、その香りに包まれたからこそわかる、生きた情報がここにあります。
バラ選びで迷っている方、次の主役級バラを探している方、そして全てのロザリアンに捧げる、仁義なき戦いの記録です!
そもそも、デビッド・オースチンとデルバールの違いとは?
対決の前に、なぜこの2つのブランドが比較されるのか、その背景にある思想の違いを簡単にご紹介します。
デビッド・オースチン(イギリス)
オールドローズの持つ優美な花形と豊かな香りを、モダンローズの返り咲き性や強健さと融合させることを目指した「ロマン主義の復興者」。そのバラは、うつむき加減に咲く奥ゆかしさや、繊細な色合いを持ち、イングリッシュ・コテージガーデンのような、ナチュラルで調和のとれた景観を作り出すのが得意です。
デルバール(フランス)
「鮮やかな色彩」「卓越した香り」「優れた耐病性」の3つを柱とし、すべての要素が高いレベルで調和することを追求する「実用的な芸術家」。特に耐病性は最優先事項とされ、日本の高温多湿な気候でも育てやすい品種が多いのが特徴です。また、「画家シリーズ」に代表される芸術的な絞り模様や、プロの調香師と作り上げる複雑な香りも魅力です。
思想が違えば、生まれるバラも違う。それを最もよく体現している6品種で、いよいよ対決のゴングを鳴らしましょう!
仁義なき品種対決!庭の主役になるのはどっち?
Round 1:【華麗なるピンク対決】オリビア・ローズ・オースチン vs ローズ・ポンパドゥール
バラの王道、ピンク。ここでは優等生と名高いオースチンと、香りの貴婦人と称されるデルバールが激突します。
🇬🇧 イギリス代表:オリビア・ローズ・オースチン
作出年: 2014年
樹形: 半つる(シュラブ)
花色: ソフトピンク
花形: ロゼット咲き
香り: 中香
【02memoのプレゼン】
「見てください、この完璧なロゼット咲き! 」と、私がプレゼンを始めます。「彼女との出会いは2019年、ホームセンターで半額だったんです。これはもう運命! 」…と、いきなり値段の話をしてニッキーさんに「ロマンのかけらもない 」と突っ込まれてしまいましたが、その魅力は本物です。
オールドローズの気品とモダンローズの強健さを両立させたまさに優等生で、病気に強く、繰り返し本当によく咲いてくれます 。初心者の方に「最初のイングリッシュローズは何がいい?」と聞かれたら、真っ先に名前を挙げる一本です 。
🇫🇷 フランス代表:ローズ・ポンパドゥール
作出年: 2009年
樹形: 半つる(シュラブ)
花色: ピンク
花形: ディープカップ~コロナ咲き
香り: 強香
【ニッキーさんのプレゼン】
「ふーん、優等生ね。でも、ちょっと面白みに欠けるんじゃないですか? 」とニッキーさんが反撃。「その点、このポンパドゥールはまず香りが違います。デルバール社がプロの調香師と作り上げた『香りのピラミッド』による、複雑で官能的な香りなんです! 」
さらに、「このディープカップの大輪、存在感が圧倒的でしょ?庭にあるだけで主役になれる華やかさ。優等生もいいけど、やっぱりバラにはドラマがなくっちゃ! 」と、そのスター性を熱弁。確かに、この一輪が持つオーラは格別です。
Round 2:【太陽のオレンジ対決】レディ・オブ・シャーロット vs ラ・ドルチェ・ヴィータ
元気をもらえるビタミンカラー対決。強健さが売りのオースチンと、花持ち抜群のデルバール。あなたの庭を明るくするのはどちら?
🇬🇧 イギリス代表:レディ・オブ・シャーロット
作出年: 2009年
樹形: 半つる(シュラブ)
花色: オレンジ
花形: カップ咲き
香り: 中香
【02memoのプレゼン】
「見てください、この圧倒的な花数!彼女はとにかく強い。暑さにも寒さにも、病気にも強い。まさに昭和の根性論を体現したようなバラです! 」と私が力説。手間いらずでたくさん咲いてくれるなんて、最高じゃないですか? 太陽のようなアプリコットオレンジの色合いと、優しいティー系の香りが、見る人の心を癒してくれます 。
🇫🇷 フランス代表:ラ・ドルチェ・ヴィータ
作出年: -
樹形: 木立(フロリバンダ)
花色: 朱色
花形: カップ咲き
香り: 中香
【ニッキーさんのプレゼン】
「また根性論とか言ってる…。効率重視じゃなかったんですか? 」とニッキーさん。「フランスからは『甘い生活』という名のラ・ドルチェ・ヴィータ!この鮮やかな色彩、まるで南フランスの太陽みたいでしょ? 」
彼女が強調したのは実用性。「花持ちが抜群に良いので、切り花にしてお部屋の中でも『甘い生活』を送れるんですよ。それに、花首がしっかり上を向いて咲く姿は見ていて気持ちがいい 」と、うつむきがちなオースチンへの牽制も忘れません。
Round 3:【芸術の個性派対決】ジュード・ジ・オブ・スキュア vs ギー・サヴォア
見た目のインパクトか、香りの個性か。庭にアーティスティックな彩りを加えたいなら、この対決は見逃せません。
🇬🇧 イギリス代表:ジュード・ジ・オブ・スキュア
作出年: 1995年
樹形: 半つる(シュラブ)
花色: 黄色系統
花形: ディープカップ
香り: 強香
【02memoのプレゼン】
デルバールの画家シリーズ「ギー・サヴォア」の芸術的な絞り模様に、「ぐぬぬ…!確かにオースチンに絞りはない…! 」と認めつつも、「だが!見た目の派手さだけが全てじゃない!イギリス代表は、香りで勝負! 」と切り返します。「彼女は見た目こそ古典的ですが、その香りは唯一無二!濃厚なフルーツ香にミルラの香りが混ざり合う、複雑で官能的な香り…。目を閉じていても、彼女がそこにいるとわかる。これこそが魂に訴えかける魅力なんです! 」
🇫🇷 フランス代表:ギー・サヴォア
作出年: -
樹形: 半つる(シュラブ)
花色: 赤系統(絞り)
花形: 返り咲き
香り: 中香
【ニッキーさんのプレゼン】
「どうです、この芸術性!まるでキャンバスに絵筆で描いたような絞り模様。デルバールのお家芸ですよ 」と自信満々のニッキーさん。「一輪あるだけで、庭がまるで美術館のようになります。これはもう植物を超えたアート作品です。オースチンに、これだけ個性的なバラ、あります? 」と、強烈な一撃。そのユニークな美しさは、確かに見る人を惹きつけます。
【結論】勝敗は…庭の中の「英仏協商」!
白熱したバトルを繰り広げた私たちですが、ヒートアップした議論のさなか、ふと気づきました。
「このローズ・ポンパドゥール、本当に良い香りだね。うちに来てくれて良かったよ 」と私が言えば、ニッキーさんも「ゼロツーさんのオリビアだって、すごいじゃないですか。見ていて飽きないし、可愛い 」と返す。
結局、ロザリアンはみんなDD(誰でも大好き)なんです 。
イギリスバラが持つ、しっとりとしたコテージガーデンの雰囲気も、フランスバラが持つ、芸術的で大胆な華やかさも、どっちも素晴らしい 。優劣をつけるのではなく、それぞれの個性を理解し、庭のどこでその魅力を最大限に活かすかを考えるのが、ガーデニングの醍醐味なのかもしれません。
対立するのではなく、お互いを引き立て合う。まさに、庭の中の『英仏協商』ですね!
今回の対決、勝敗は「引き分け」です!
この記事が、あなたのバラ選びの参考になれば幸いです。ぜひ、YouTube動画の方では、実際に咲いているバラたちの美しい姿と、私たちの(ゆるい)熱戦の様子をご覧ください。
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