読み終わったのは少し前なんだが、連日のタイの洪水ニュースを見ていたらこの本を思い出した。舞台は未来のバンコクで、そこでも洪水とか防波堤、水門などの描写は細かくある。
ニュース見てタイの情報をすり込まれた状態で読むと、さらに面白いかもしれない。
ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)
ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)
SFのいろんな賞を取った話題の作品。オビもアピールしまくりなので期待して読んだ。
読み終わった感想は面白かった。基本SFは本も、映画もゲームも好き。ただ本の場合は余りに難解すぎたり、設定が細かすぎて世界に入れなかったり、訳者が微妙で読みにくいとかで途中で放り出す物もかなりある。特にSF好きに絶賛されている作品とかで、すげーリアルに設定作って科学考証も完璧なので文句があるなら指摘してみろ的な方向に行ってしまった作品は無理です。
ゲームで言うとRTSの進化方向に似てる、リアルを追求しすぎて初心者が全く入って来れない世界。マニアが俺はついて行けるぜみたいに煽るからさらに先鋭化して市場は縮小していく袋小路にはまる系。
ねじまき少女は多少わかりにくい所があるが、そういう系のSFではないです。
ただ、題名が「ねじまき少女」になっているが、本文でねじまき少女の分かりやすい説明はない。
ねじまきは無いが、ゼンマイは出てくる。私は途中までゼンマイ可動の少女型アンドロイド「ねじまき少女」。動力はゼンマイでネジ巻いて可動するんだと思ってた。そんなカラクリ人形が主人公の話で賞を総なめとか、どんなファンタジーSFなんだろうと別の意味で期待していた。
そんな訳で、本編はねじまき少女も中々出てこなし、先入観もあってねじまき少女解釈が違うって気がつくのにしばらくかかった。
登場したら、ねじ巻かないし、氷みずを飲むし、インテリ設定だったので違うと気がついたけど。
「ねじまき少女」はDND操作によって造られた日本製アンドロイドのことで、アンドロイドといってもロボットではなく、改造生物の亜人間設定。酸素吸って、食事を取って生きている。
「ねじまき」というのは人間との区別が容易なように動きがねじまき機械のように設計されてるために、アンドロイドつけられた蔑称。少女型アンドロイドなので、ねじまき少女。
話は石油が枯渇し、エネルギー構造が激変した近未来のバンコク。
エネルギー源がなくなってエコ的な世界になっている。
現代のエネルギー浪費とか、遺伝子工学への警鐘的なメッセージが多い。
そんな世界でも人は既得権にしがみついた縄張り争いを繰り広げる人たちと、利権でなく信念で生きている人たちとの対決みたいな事をうまくからめて、その世界に自分の意思でなく生み出され、自我も意識も持つのに迫害され、物として投げ出せれたねじまき少女の話が融合されて、できあがっている。前半はだらだら進むが後半は盛り上がってきて、一気に読める。SF好きでなくても楽しめると思う。
同じ世界での別の物語を早く読みたい。
ねじまき少女に関係ないんですが、タイ洪水の話。
洪水の被害でHDが値上げになったり、めがねのレンズの生産ができなくなったりすると、何故かNASのHDを全部交換したくなったり、新しいめがねを作りたくなる。
HDは緊急で無ければ、今は買わない方が良い。
めがねもJINSでは、屈折率1.74レンズをタイ洪水のせいで断られるので、今は作らない方が良い。
早く洪水引いて、通常業務に戻って欲しい。
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