オリビア・ローズ・オースチン:イングリッシュローズの優美な魅力と育て方完全ガイド
オリビア・ローズ・オースチン(Olivia Rose Austin)は、デビッド・オースチン社が手掛けた傑作とも言えるイングリッシュローズです。その美しいソフトピンクの花と上品な香り、そして四季咲きという特性から、多くのバラ愛好家に愛されています。今回は、この魅力的なバラの特徴や育て方について詳しく解説していきます。
オリビア・ローズ・オースチンの基本情報
オリビア・ローズ・オースチンは、イギリスの有名なバラ育種家デビッド・オースチン氏によって2014年に発表されたイングリッシュローズ(シュラブローズ)です。このバラは、デビッド・オースチン氏の孫娘の名前にちなんで命名されました。
基本データ:
学名: Rosa 'Ausmixture'
系統: イングリッシュローズ(シュラブローズ)
作出: デビッド・オースチン社(イギリス)
発表年: 2014年
花色: ソフトピンク
花径: 約8cm
花形: ロゼット咲き(カップ咲きからロゼット咲きへと変化)
花弁数: 約90枚
香り: 中香(フルーティな香りとオールドローズの香りが混ざった上品な香り)
樹高: 約100〜120cm
樹形: コンパクトな直立性
開花: 四季咲き(春から秋まで繰り返し咲く)
耐病性: 優れている(黒星病やうどんこ病に強い)
オリビア・ローズ・オースチンの魅力
1. 美しい花の形と色
オリビア・ローズ・オースチンの最大の魅力は、その花の美しさにあります。つぼみの段階では深いピンク色をしていますが、開花するにつれてソフトなピンク色へと変化していきます。満開になると、約90枚もの花弁が幾重にも重なり合い、古典的で優雅なロゼット形を形成します。中心部分はややくすんだピンク色で、外側に向かって色が明るくなっていく繊細なグラデーションも見どころです。
この花は、最初はカップ状に開き、徐々に平らなロゼット形へと変化していくため、一つの花でも異なる表情を楽しむことができます。また、花弁の縁がわずかに波打つような質感も、このバラの優美さを引き立てています。
2. 素晴らしい香り
オリビア・ローズ・オースチンは、フルーティな香りとオールドローズの伝統的な香りが絶妙に調和した中香を放ちます。朝露がついた花を近くで嗅ぐと、ラズベリーやレモンを思わせる爽やかな香りに、わずかなバラの深い香りが混ざり合う独特の香りを楽しむことができます。
この香りは強すぎず弱すぎず、庭にいると自然と香りが漂ってくる程度の上品さがあります。切り花として室内に飾っても、空間に優しい香りを広げてくれます。
3. 優れた開花性
オリビア・ローズ・オースチンの大きな特徴として、四季咲きという性質があります。春の一番花が最も豪華ですが、その後も休むことなく秋まで次々と花を咲かせ続けます。特に、他のイングリッシュローズと比較しても花つきがよく、花の数が多いという点が高く評価されています。
一度に複数の花を咲かせるため、一株だけでも存在感があり、庭のアクセントとして素晴らしい効果を発揮します。また、開花期間が長いため、長い期間にわたって美しい花と香りを楽しむことができます。
4. 健康的な生育と高い耐病性
オリビア・ローズ・オースチンは、バラの大敵である黒星病や白粉病に対する耐性が高く、初心者でも比較的育てやすい品種です。葉は濃い緑色で光沢があり、健康的な印象を与えます。
また、コンパクトで整った樹形に育つ特性があるため、庭のスペースを取りすぎることなく育てることができます。比較的若い株でも花付きが良いという特徴もあり、植えてからすぐに花を楽しめる点も魅力の一つです。
オリビア・ローズ・オースチンの育て方
1. 植え付け
最適な植え付け時期:
春(3月下旬〜4月)
秋(10月〜11月)
気候が安定し、極端な暑さや寒さがない時期に植え付けるのが理想的です。
植え付け場所:
日当たりの良い場所を選びましょう。一日に最低6時間の日光が当たる場所が理想的です。ただし、真夏の強い日差しは避けた方が良いので、西日が強く当たる場所は避けるか、遮光対策を行いましょう。
植え付け手順:
直径と深さ約60cmの植え穴を掘ります
土を掘り起こし、堆肥や腐葉土、バラ専用の土などを混ぜて土壌を改良します
植え穴の中心に苗を置き、根がまっすぐ下に伸びるようにします
接ぎ木部分(根と幹の境目付近にある膨らみ)が地表から2〜3cm上になるように調整します
土を戻し、しっかりと押さえて固定します
たっぷりと水をやります
マルチング(腐葉土や堆肥を根元に敷く)を行うと、乾燥防止や雑草対策になります
2. 水やり
バラは水を好む植物ですが、過湿も苦手です。土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えるのが基本です。
水やりのポイント:
朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう
株元に直接水をかけるのではなく、根元の土に向けて水をやります
夏場は毎日、春秋は2〜3日に1回程度を目安にします
冬は休眠期に入るため、乾燥しすぎない程度に控えめにします
鉢植えの場合は、特に水切れに注意しましょう
3. 肥料
オリビア・ローズ・オースチンを美しく咲かせるためには、適切な肥料管理が重要です。
肥料の種類と与え方:
基本肥料(元肥): 植え付け時や早春に緩効性の有機肥料を施します
追肥: 開花期前(4月頃)と一番花後(6月頃)に、バラ専用肥料を与えます
液体肥料: 開花期間中は2週間に1回程度、薄めた液体肥料を与えると花付きが良くなります
秋肥: 9月頃に緩効性肥料を少量与えると、翌年の生育に好影響を与えます
肥料を与える際は、説明書の用量を守り、根元から少し離して施すようにしましょう。
4. 剪定
オリビア・ローズ・オースチンは、適切な剪定によってさらに花付きが良くなり、美しい樹形を保つことができます。
剪定の時期と方法:
冬剪定(強剪定): 2月〜3月頃、休眠期に行います。樹高の1/2〜1/3程度に切り詰めます
夏剪定(軽剪定): 一番花が終わった6月頃に行います。花がら摘みを兼ねて、花茎を2〜3節残して切ります
花がら摘み: 花が終わったら、こまめに花がらを摘み取ります。次の花が早く咲くようになります
剪定の基本ルール:
枯れた枝や病気の枝は根元から切り取ります
内向きに伸びている枝や交差している枝を取り除きます
中心部に風通しと日光が入るようにします
切り口は芽の上約5mmの位置で、芽の反対側に斜めに切ります
5. 病害虫対策
オリビア・ローズ・オースチンは比較的病気に強いバラですが、予防的な対策を行うことで、さらに健康に育てることができます。
主な病気と対策:
黒星病: 葉に黒い斑点ができる病気です。風通しを良くし、被害葉は早めに取り除きましょう
白粉病: 葉や茎に白い粉状のものが付く病気です。湿度管理と風通しの改善が効果的です
うどんこ病: 葉に白い粉をふいたような症状が出ます。重曹水スプレーなどが効果的です
主な害虫と対策:
アブラムシ: 新芽や蕾に集まります。水で洗い流すか、市販の薬剤を使用します
ハダニ: 葉の裏に寄生し、葉を黄色く変色させます。水を葉の裏側に強く噴射するか、天敵(カブリダニなど)を活用します
カイガラムシ: 枝や幹に付着します。見つけたら歯ブラシなどでこすり落とします
予防策として、定期的に葉水(葉に水をかける)を行うと、害虫の発生を抑えることができます。また、春と秋には予防的に薬剤散布を行うことも効果的です。
6. 鉢植えでの育て方
オリビア・ローズ・オースチンは鉢植えでも十分に育てることができます。
鉢植えのポイント:
直径40cm以上、深さ30cm以上の大きな鉢を選びましょう
鉢底には必ず排水用の穴が開いているものを選びます
鉢底石を敷き、その上にバラ専用の培養土を入れます
水はけと通気性を確保するため、赤玉土やパーライトを混ぜると良いでしょう
夏は朝夕2回の水やりが必要になることもあります
2〜3年に一度は鉢植え替えを行うことをおすすめします
オリビア・ローズ・オースチンの活用法
1. ガーデンでの使い方
コンパクトな樹形と繰り返し咲く特性を活かして、様々な場所で楽しむことができます。
おすすめの植栽場所:
花壇の中央や手前のアクセントとして
低い生垣として数株を一列に植える
アーチやオベリスクに誘引して立体的に楽しむ
庭の入り口や窓辺など、香りを楽しめる場所に配置する
2. 切り花としての楽しみ方
オリビア・ローズ・オースチンは切り花としても素晴らしい持ちの良さを示します。
切り花のコツ:
朝の涼しい時間帯に、八分咲き程度の花を選びます
鋭利なハサミで、斜めにカットします
すぐに水に浸し、茎の切り口が乾かないようにします
花瓶の水は2日ごとに交換すると長持ちします
葉が水に浸からないように注意しましょう
3. 香りを楽しむ
オリビア・ローズ・オースチンの素晴らしい香りは、様々な形で楽しむことができます。
香りの楽しみ方:
切り花として室内に飾る
ドライフラワーにして長期間香りを楽しむ
ポプリの材料として活用する
香りの強い朝や雨上がりに庭で香りを楽しむ
まとめ
オリビア・ローズ・オースチンは、繰り返し咲く四季咲き性、美しいソフトピンクの花色、上品な香り、そして丈夫で育てやすい性質を持つ、まさに理想的なイングリッシュローズです。初心者からベテランまで、多くのバラ愛好家に愛される理由がここにあります。
適切な管理を行えば、春から秋まで長期間にわたって美しい花を咲かせ続け、庭に彩りと香りをもたらしてくれることでしょう。ぜひ、オリビア・ローズ・オースチンを育てて、その魅力を存分に堪能してみてください。
日当たりと風通しの良い場所で、適切な水やりと肥料管理、そして定期的な剪定を行うことで、このバラはさらに美しく成長し、皆さんの庭を彩る素晴らしい存在となることでしょう。
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